土日の食事はたいがい、食材の在庫一掃セールの様相を呈する。冷蔵庫のなかを眺め、賞味期限の迫っているもの、そして多くは賞味期限の切れたものを取り出して料理する。
だが今日は違う。冷蔵庫のなかをいっさい見ずに調理に入った。
というのも「トムヤムクン」の素が気になって仕方がなかったからだ。
スーパーで半額になっていたのを、ヨメさんが買ってきて戸棚にしまってあるのを知っていたのだ。
何か目的があって買ったに違いないが、私は今食べたい。喉がお呼びだ。
しばし、逡巡。そして決に達した。
ヨメが買ったものは私のものと言ってもいいのだ。
使った分は、あとで補填しておけばイイのだ。
幸い、今日はヨメさんが仕事でいない。了解は事後にとることにした。
さて、どうやって食べてやろうか。
在庫一掃のことはとりあえず脇へ置き、さっそくスーパーでパクチーとエビを買い、センミートムヤム(汁ビーフン)を作り始めた。
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▼材料 (分量はすべて適当で)
- ビーフン
- エビ
- シイタケ
- トッピング具材
- もやし(さっと湯通ししておく)
- パクチー(香菜、コリアンダー)
- 長ネギ
- 唐辛子(細かく切ったもの)
- スープの材料
▼手順
- ビーフンをお湯で戻し、水気を切っておく。
- トムヤムクンの素をお湯で溶き、シイタケを入れて一煮立ちさせる。
- エビを入れ、さっと茹でて火を止める
- どんぶりにビーフンとスープをいれ、トッピング具材をお好みでのせる。
- 食べる。

いつもながらのオルタナティブレシピである。
子供たちには辛くない普通のうどんを作って、さあ昼食だ。
ペーストのトムヤムクンの素だと、手軽にできるわりには、なかなかそれらしい。イイ感じだ。もう少しコクがあったほうがいいかな。
鶏ガラスープ(の素)をいれ、唐辛子とレモンの絞り汁を足したらどうだろう、とか、ココナツミルクを入れるべきだったかと思いながら食べる。
そんなことを考えているから、食事中、父親は無口だ。
夕方、ヨメさんが帰宅後、トムヤムクンの素を勝手に使ったことを申告した。とがめられるとは思っていなかったが、一応連絡として。ちゃんと使った分を買い足すことも付け加えた。
すると、「要らない」とヨメさんは答えた。
「トムヤムクンは特に好きではないから」と言う。ヨメさん曰く、「買っておけば、そのうち勝手に使うだろうと思って」
私がこうするであろうことは、ヨメには最初から分かっていたのだ。
冷蔵庫からビールを取り出し、ヨメさんのグラスに注いだ。
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