TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」のポッドキャスティングで、小西康陽の詞について語られてました(リリース:2007/9/22)。
ピチカートファイブの「皆 笑った」なんかを例に挙げて考察してますが、なかなか的を射ていて素晴らしいです。ぜひ聴いてみてください。
んで、もう1度、曲を聴き直してみようと思って、押入れからCDを引っ張り出してきました。1987年発売のファーストアルバム「カップルズ」。ボーカルは佐々木麻美子、グループ名表記も「Pizzicato V」の頃ですね。
そのなかの「連載小説」がiTunes登録9,000曲目です。
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全然売れなかったと言われるアルバムですが、当時聴きまくってました。
「マジカル・コネクション(John Sebastianのカバー)」の冒頭とか「憂鬱天国」とか、なんて変な曲としか思わなかったのに、聴き込むにつれて味わい深くなります。ボーカルの声質のせいもあるんでしょうけど、盛り上がっていくようで上がりきらない、そんな「絶頂に達しない」メロディラインは、高校生だった私には「大人な世界」を見るようでした。
アルバム全体にわたって歌詞が悲観的です。
私は基本的に「歌詞を聞かない」のですが(右脳と左脳のバランスによって決まると聞いたこともありますが)、唯一、小西さんの歌詞には大きく影響されました。
たとえば「そして今でも」とか、ビートが強く明るくて好きな曲なんですが、曲調とはうってかわって歌詞はものすごく悲しい。それはもう救いようがない。
歌詞の出だしはいいんですよ、ハッピーなんで。それが途中から一気に変わります。最後には、恋愛末期の重苦しい空気感がヒシヒシと伝わってきます。じつは、冒頭のハッピーな表現も、かつての思い出にすがっているだけだったということがあとで分かる、という風になっているわけですね。
さて、「連載小説」です。
この曲も歌詞がすごい。「好き」の深さを、ハッピーでない尺度で裏返しに表現しています。Bメロの歌詞がその典型です(キャッチーなフレーズらしく、その後の小西楽曲にもたびたび登場します)。
後に、アルバム「Pizzacato Five」でセルフカバーしています。
私は、このアルバムが実質的なラストアルバムだと思ってますが、やはり、そういうアルバムにとりあげられるべき名曲なんですよね。先ほどのBメロの、C#m7→F#m7→Bm7→E9っていうコード進行は、今聴いてもほんとに切なくなります。
思春期の私に、「ひねた恋愛観」を植え付けた記念すべきアルバムです。
10代のいい若いモンが聴いちゃいけませんね、こういうのは。
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